為政清明 2016 7 2
2016年6月29日の産経ニュース電子版には、このような記事がありました。
「家計の足しに」とアメリカの知事夫人、ウエートレス勤務
アメリカ東部メーン州の知事夫人が家計の足しにするため、
港に面したレストランで週に3日、
ウエートレスとして働いていることが明らかになり、話題となっている。
アメリカのメディアが伝えた。
メーン州知事の年収は7万ドル(約717万円)で全米の知事の中で最低水準。
夫人はトヨタ自動車製の車を買いたいという。(共同)
(引用、以上)
世界の政治家の多くは、
その権力を利用して、
あるいは名声を利用して、蓄財に励みますが、
少数派として、清貧のまま政治家の仕事を続ける人もいるのですね。
このような記事を読んで、思い出すことがあります。
これは、人から聞いた話なので真偽は不明ですが、
明治政府の最高権力者だった大久保利通は、
夜、議事堂へ行こうとすると、
ボロボロの外套(コート)を着ていたので、
守衛から不審人物と見られて制止されたそうです。
「怪しい」と思って制止した不審者が、
なんと、時の最高権力者だったので、
驚いた守衛は、「どうして、ボロボロの外套を着ているのですか」と聞くと、
大久保利通は、こう答えたそうです。
「国民が貧しいのに、どうして私だけが贅沢できるのか」と。
現代においては、
資産家になる政治家や、
挙句の果てには、
年老いた親から巨額の「小遣い」をもらう政治家まで出現しました。
さて、「為政清明」とは、
大久保利通の「座右の銘」で、
政治(まつりごと)をするには、
清く、かつ明瞭でなければならないという意味です。